愚かなハッカーたれ、利口なエンジニアよりも

自我と距離をおきたいプログラマの日記

エビデンスも大事だけど真実は空想の先にある

2016年世界各地で話題となったサピエンス全史によると、想像するという能力は人間(サピエンス)のみに宿るものらしい。そして、その想像を他人と共有し信じることで、アフリカで生まれた一生物に過ぎなかったサピエンスは全世界へと繁殖したのだという。

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福

 

人間の想像は多くの実在しない空想を生み出し、それが社会秩序となった。お金はその最たる例だろう。また産業革命が起き義務教育が普及する前までは、現代では考えられないようなおかしな習慣や儀式が正しいことと信じられ、理不尽な仕打ちにあった人々も多い。

しかし人間は想像することなくして真実を知ることもなかっただろう。ダーウィンは航海の中で生物の進化を想像した。そして進化という現象は真実で、後世で遺伝子の発見に繋がり、すべての人間のルーツはアフリカにあることもわかった。

想像する能力を持たない他の生物は、選民思想という妄想から同じ種を大虐殺するようなことはしないが、自分たちの思考が遺伝子によって制御されていることを想像することもしない。だからこの思考は本当に自分のものか?遺伝子による本能的なものか?という想像もしないし、仏教の色即是空も理解できないし、真実を知ることもない。

まずは想像して仮説をたてること。そしてバイアスがかからないことを意識して熟考すること。それが真実へたどり着く道である。昨今、まずエビデンスを出せという話になりがちだけど、頭に浮かんだ妄想を阻むだけでは今の枠組みの中でしか生きられない。

広告収入目当てのフェイクニュースは明らかに害悪をもたらすものだろうけど、想像を口にだすこと自体は悪いことじゃないはずだ。それに対する寛容さがなくなるのは良くないことだと思う。